船越は古くから漁業や流通の拠点として重要な役割を果たしてきました。現在、美しい自然の景色が残る寺山海岸の沖で養殖される牡蠣は、冬場に多くの観光客を呼ぶ名産品になっています。今回はその背景を地元の専門家に伺います。
開催概要
日時
2026年4月25日(土)10:30集合 14:00解散予定
集合場所
船越漁港(船越バス停前)(糸島市志摩船越128-2)
スケジュール
| 10:30 | 船越バス停前集合 |
| 11:00 | 綿績神社で祈願祭の見学 |
| 11:30 | 昼食 |
| 13:00 | 寺山海岸で専門家によるレクチャー |
| 14:00 | 船越バス停前解散 |
参加費
無料(昼食・交通費は別途)
ご注意
海岸に行くので、歩きやすい服装でお越しください。
お申込み
(募集は終了しました)
案内チラシ

実施結果
参加者数
学生:73名
一般:6名
スタッフ:3名
実施レポート
今回は午前中に棉績神社で開催された祈願祭の見学と、寺山海岸の観察会を行いました。学生が多く参加され、快晴の下で楽しいエクスカーションとなりました。
寺山海岸では九州大学の藤林先生より牡蠣の養殖に関するレクチャーをしていただきました。
要旨
カキ養殖は、餌を人工的に与えない「無給餌養殖」という形態をとっており、自然の物質循環に深く依存したシステムです。この方式は、外部から有機物を投入する必要がないため、魚類養殖などと比較しても環境負荷が極めて低いという利点を持っています。カキはエラ呼吸を通じて大量の海水を吸い込み、その中に含まれるプランクトンを摂取する「濾過摂食」という生態を持っており、この過程が天然の水質浄化にも寄与しています。
また、カキ養殖は周辺の生態系を豊かにする側面も持っています。カキが排出した糞や偽糞(選別して吐き出された粒子)は海底に沈降し、底生動物の貴重な栄養源となります。これにより、養殖いかだの下には多様な生物が集まり、それを餌とする魚や鳥も増加するなど、良好な生物相が形成されることが知られています。しかし、富栄養化が進んだ閉鎖性海域では、これらの有機物が過剰に蓄積すると貧酸素水塊を招き、環境悪化の要因となる可能性もあるため、環境バランスの維持が重要視されます。
現在、カキ養殖は気候変動という大きな課題に直面しています。近年の水温上昇や貧酸素化の頻発により、瀬戸内海をはじめとする各地でカキの大量死が発生し、従来の自然循環に頼った手法だけでは安定した生産が困難になりつつあります。加えて、温暖化は餌となる植物プランクトンの種組成にも変化を及ぼしており、将来的な栄養不足も懸念されています。また、紫イガイ(ムール貝)などの付着生物がカキと餌を奪い合い、カキの肥満度を低下させるといった競争関係も明らかになってきました。
地域ごとの特性に目を向けると、カキの成長は陸域から供給される栄養塩に強く支えられています。特に河口付近はプランクトンが豊富であり、カキが美味しく育つ良質な漁場となります。福岡県の糸島では主に1年サイクルで出荷されるのに対し、宮城県の南三陸などでは2〜3年かけて育てるなど、地域によって代謝や成長速度に違いが見られます。これからのカキ養殖を維持していくためには、こうした地域の特性を理解しつつ、環境変化に対応するための人為的な対策や技術介入を積極的に検討していく必要があります。
感想
| とにかく景色が綺麗だった。雰囲気が好きだった。 |
| 牡蠣の無給餌養殖など、興味深いことが知れてよかった。 |
| 好きな牡蠣の周りの環境を考えるいい機会になった。 |
| 詳しいところまで説明してくれてわかりやすかった。 |
| 生態系と環境評価については自分の研究と重なる部分があるため、自然環境によるフィルター機能がブルーインフラとして機能している点が参考になった。 |
| 牡蠣などの海の生物が豊かに育っていくためには、山からの養分をはじめ、海の状態、護岸の整備方法まで、さまざまな要素が絡み合っていることを知り、土木技術者としてこの自然のバランスに手を加えることの危険性と恐ろしさを感じました。ありがとうございました。 |
| 程よく歩いて程よく疲れました。 漁業と環境の関係性について興味があります。 |
| 牡蠣の話が興味深かったです。 |
| 船越漁港を中心に、漁港の作りや船越の歴史などを学べてよかった。特に、藤林教授の牡蠣養殖の話が非常に興味深かったです。牡蠣のギフンのおかげで、養殖庄の底には、豊かな生物種がいることには驚きだった。 |
| 実際に牡蠣を食べた後に話を聞くと、とても関心を持って興味深く学ぶことができました。 |
| 普段いかない町の歴史や食文化について深く知ることができ、いい勉強になりました。ありがとうございます。 |
| 牡蠣の養殖には餌がいらないということがエコだなと思った。 |
| 真剣に漁港や海岸の活用方法を学ぶ機会はそうそう無かったので参加できて良かったです |
| 牡蠣の話が面白かった |
| 牡蠣の養殖についての課題を深くしれた |
| 九大に来て5年目ですが船越漁港について初めて知りました。牡蠣小屋もおいしそうでまた来ようと思いました |


